「カッコいい車に乗りたい」そのために働くじゃダメ？

勉強は個人の努力が報われますが、組織で動いたり相手ありきの仕事となると、ままならぬことも多々。そんな時に、自分の目の前ににんじんをぶら下げて走るか……もとい、いかにモチベーションを上げるのか。その原動力として、“ 自分にごほうびをあげよう”という行為は、かなり効きます。「家族のために家を建ててあげたい」という人もいるでしょうし、あなたのように車に達成感を求めるのもあり！です。

アラブ首長国連邦のドバイなどで撮影を行ったジャッキー・チェン主演『カンフー・ヨガ』を見てみましょう。同作は約1400年前に、当時の天竺（てんじく＝インド）と唐（中国）の間で起こった争乱の際に消えた秘宝を巡って、考古学者やインドの謎の富豪らが争奪戦を繰り広げるアクションアドベンチャーです。財宝のありかのカギを握る宝石のオークションが、ドバイで開催されると聞いて一同が集結。欲望がぶつかり合い、ドバイでのカー・チェイスへと発展します。

中東経済の中心地であるドバイは大企業も多く、富裕層が多く暮らす街。ステータスの象徴として、ランボルギーニやフェラーリ、ポルシェといった高級車がバンバン走っている車好きにはたまらない街です。当然、劇中で登場するのも憧れの名車ばかり。追いかけるポリスカーもスーパーカーです。お金持ちの国は違う！と話題になりましたが、本作を見れば納得するはず。何か事件が起こった時に、市民の車と同等以上の性能を持つ車じゃないと全く対抗できないワケです。

さらにドバイは王族が政治も経済もつかさどっている階級社会です。それを歴然と表すのがファッションや車、時計など身に着けているもの。人はそこから経済状況を推測し、取引相手や公の場での対応を変えてきます。つまりイイ車は、そうした社会で戦うための武装手段でもあるのです。そこを知ってドバイの街を見てみると、安定した財力を持つ王族は別格として、ビジネスで成功し、この街に住んでいる外国人たちは皆、さぞ頑張って今の暮らしを手にしたのだろうなと、ちょっと見る目が変わってきませんか？

おそらくあなたは車好きということ以上に、上昇志向も強いのだと思います。そんなあなたに、お金では手にすることのできない車をご紹介しましょう。『ホワイトハウス・ダウン』に登場するアメリカ大統領専用車両です。大統領専用機エアフォース・ワンにちなんで「キャデラック・ワン」と呼ばれていますが、本作での名称は「グランド・フォース・ワン」。
　

同作はホワイトハウスをテロ集団が占拠するという大胆な発想のアクションサスペンスです。ハウス内にいた下院議員の警護担当で元軍人のジョンが、大統領をハウスの外へ逃亡させる手段として選んだのが、グランド・フォース・ワンを使った作戦。テロ集団からの銃撃をガンガン受けながら逃走するのですが、“動く要塞”とも言われているだけに弾丸をものともしません。カッコいい！を超えて、すご過ぎ。

残念ながらアメリカ大統領は米国籍の人しかなれませんが、せっかくならば地位を得ないと手にできないカッコいい車を探して、さらにモチベーションを高めてみては？　ちなみに、日本の内閣総理大臣専用車も防弾仕様だそうですよ。