しごとについての質問
仕事をしている男の人で、ネクタイをしている人と、していない人がいるのはどうして?(10歳・女子)
<答えてくれる人>児玉ひろ美(こだまひろみ)さん
*JPIC(ジェイピック):一般社団法人 出版文化産業振興財団
まず、ネクタイをしている人の職業を確かめてみましょう

『ただいまお仕事中』
著者:おち とよこ
絵:秋山とも子
出版社:福音館書店
価格:1500円(税別)
最近はクールビズが定着し、夏になると仕事中でもネクタイを着けない人が増えているようですが、やはりネクタイは働く男性を表すイメージのひとつではないでしょうか? では、どんな仕事の人がネクタイを着けているのかを、『ただいまお仕事中』で見てみましょう。
様々な仕事の中から、子どもたちに人気の仕事場を選び出し、子どもによるインタビューに答える形で28種類の職業が紹介されています。そこには、絵と文で紹介される働く大人それぞれが、その職業にもっとも適切な服装で働いている様子が描かれています。
同時に働く人の服装は、機能や効率だけで選ばれているのではなく、その仕事に対する周囲からの信頼や期待、そして自分自身の責任感や誇りまでも表していることが見えてきます。そんなことを意識しながら、ネクタイを着けて働く人のページを開いてみてください。ネクタイを身に着けることの意味が見えてきます。
ネクタイの形、色、柄から社会のありようも見えてきます

『「知」のビジュアル百科『衣服の歴史図鑑』』
著者:L・ローランド=ワ―ン
日本語版監修:川成 洋
出版社:あすなろ書房
価格:2500円(税別)
世の中には、スーツやシャツとコーディネートをして、ネクタイのおしゃれを楽しんでいる人もいますね。でも、そのほとんどが男性です。
女性が男性同様に働く現代でも、ほとんどの「女性がネクタイをせず」、「男性がネクタイをする」のは、職業的な区別や意味に加えて、歴史的な流れや習慣も考えられます。
『衣服の歴史図鑑』では、人はなぜ服を着るのかに始まり、原始時代に人が服を“発明”した経緯から現代までを、豊富な写真とコメントで追っています。大きな見出しと写真を見ながらぺージをめくっていくと、服装というのはその時代を大きく、時には滑稽なまでに反映していることに気づくでしょう。
そう、服装は社会をのぞく窓のような存在なのです。では、ネクタイはどのように男性の首元を飾ってきたのでしょう? 巻末の索引でネクタイの項を引いてみてください。そして、指示されたページをのぞいてみると、そこには驚きの「ネクタイの始まりの物語」があります。