介護の現場で活躍する
ロボットってどんなもの?
介護スタッフや介護利用者を支援する、
いろんなロボットが活躍しているよ。
介護ロボットと聞くと、アニメやマンガに出てくる、何でもできるロボットを想像するかもしれませんが、ちょっと違います。介護スタッフや介護利用者が手助けしてほしいと思う部分に、介護ロボットの力を借り、介護スタッフを支援したり、介護利用者の自立を支援したりしていくのです。
介護ロボットの開発が進められている背景の1つに、介護の現場での人手不足があげられます。介護ロボットによって、介護スタッフの負担を減らし、その分、介護利用者とゆっくりコミュニケーションをとる時間を増やしたり、ほかの介護の仕事に取り組めるようにしたりするのが狙いです。
また、介護利用者の日常の活動(歩行や移動)をサポートし、快適な暮らしが送れるようにする目的もあります。介護のシーンはじつにさまざまです。では、どの分野で介護ロボットが活躍したり、あるいは今後、活躍が見込まれたりしているのでしょうか。その分野はおもに次のようなものです。
① 移乗支援
介護利用者がベッドから車いす、車いすからトイレなどに移るときのサポートには、介護スタッフに身体的負担が大きくかかります。この負担を軽くするための介護ロボットです。
・装着型
ロボット技術を利用して、介護スタッフへのパワーアシストを行う装着型の機器。抱え上げの際、アシスト力が働きます。
・非装着型
ロボット技術を利用して、介護スタッフによる抱え上げ動作のパワーアシストを行う非装着型の機器。
② 移動支援
・屋外
介護利用者の外出をサポートし、荷物などを安全に運搬できる歩行支援機器。
・屋内
介護利用者の立ち座りや屋内移動をサポートしたり、トイレでの姿勢保持を支援したりする機器。
・装着
介護利用者の外出をサポートし、転倒予防などを補助する装着型の移動支援機器。
③ 排せつ支援
・排せつ物処理
ロボット技術を用いて排せつ物の処理を行う設置位置の調整が可能なトイレ。
・排せつ予測・検知
ロボット技術を用いて排せつを予測し、介護利用者のトイレ誘導を支援する機器。
・動作支援
ロボット技術を用いて、トイレでの下着の着脱など排せつの一連の動作を支援する機器。
④ 見守り・コミュニケーション
・施設
ロボット技術を用いて、センサーなどで介護施設の入居者を見守り、健康状態の異常などがあれば施設側に伝えるシステム。
・在宅
ロボット技術を用いて、センサーなどで介護利用者の自宅での生活を見守り、健康状態の異常などがあれば外部に伝えるシステム。
・コミュニケーション
介護利用者とのコミュニケーションにロボット技術を用いた生活支援機器。
⑤ 入浴支援
ロボット技術を用いて、お風呂に出入りする際の一連の動作を支援する機器。
⑥ 介護業務支援
ロボット技術を用いて、移動支援や排せつ支援などの介護業務に伴う情報を集めて蓄積し、それをもとに、事故の予防や職員教育・研修など介護サービスの質の向上に活用できるような機器・システム。
日本が介護ロボットの開発・導入促進に戦略的に取り組むことを発表したのは、2013年です。ロボットの開発を進めるメーカーへの支援や、介護ロボットの導入を促すために補助金制度を設けるなどしてきました。今も介護ロボットの開発は進められており、導入が進んでいます。
日本には高い技術力があり、日々開発が進められています。将来の介護の現場では、今よりもさらに多くの介護ロボットが活躍している可能性が高いでしょう。