「なぞとき」にクイズやグラフの読み解きでチャレンジ
地球温暖化を抑止し、生物多様性を守るために欠かせない森林。災害を防ぎ、水資源をつくる役割もあり、暮らしになくてはならない存在です。しかし、日本は国土の約3分の2を森林が占める世界有数の森林大国にも関わらず、間伐されずに荒れてしまった森林や、成長を迎えても伐採されないままの森林があるなど、現状には課題がたくさんあります。
「森と未来の授業」では、最初に動画で日本の森林について、人工林や天然林の違いや森林の果たす役割、林業の仕事などについて把握します。そして続くスライド授業で、日本の森林(人工林)がなぜ荒れてしまっているのかという「なぞ」について、クイズやグラフの読み解きなどから探っていきます。そして、日本における林業の課題や、森林を再生させるために必要な手立てについて考えます。
小学校では、5年生社会科の単元「わたしたちの生活と森林」があり、「森と未来の授業」は、この単元にひもづいた内容となっています。1コマで完結する、ぎゅっと要素のつまった授業なので、単元学習の最初に活用いただくことで学ぶべき要点がおさえられるほか、その後の学習への興味をかき立てます。
森林はこれからますます注目されるキーワード
「なぞとき100クラスの授業」は、キャリア教育の副教材「おしごと年鑑」を届けてきたおしごとはくぶつかんが、いま子どもたちに向き合ってほしいテーマについて、日本有数の企業や団体とともに考えながらつくった新しい教材です。テーマに関する「なぞとき」形式で、子どもたちにいつもの授業とはちょっと違う、ワクワクした気持ちをもって取り組んでもらえる仕掛けにしています。
今回の「森と未来の授業」は、公益財団法人森林文化協会の提供によるもので、同協会は、まだSDGsという言葉もなかった1978年の設立以来、「山(自然環境)と木(生き物)と人の共生」を基本理念に森を守り、育て、地球環境の保全につながるさまざまな活動を続けてきました。
2023年には、環境省が進める「30 by 30」(生物多様性の損失を食い止めて回復させるため、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として保全する取り組み)に賛同し、「30 by 30アライアンス」にも加盟しています。
地球環境の危機が叫ばれる今、森林の役割にはこれまで以上に注目が集まっています。なかでも、温暖化を抑止するための「カーボンニュートラル」と、生物多様性の保全のための「30 by 30」の2つは、国際的な枠組みの中で日本も定めた目標であり、ここでも森林が重要な役割を果たしています。
視野をグローバルに広げて地球環境の未来や持続可能な社会の実現について考えるとき、森林は課題の解決に欠かせないキーワードです。「森と未来の授業」の教材は小学5年生の社会だけでなく、幅広い学年で、総合的な学習の時間でも役立つ内容になっています。ぜひ授業に取り入れてご活用ください。