ポンプが人の暮らしを支えているってどういうこと？
おしごと年鑑
未来を生み出す科学技術のお仕事
2022年度
ポンプって聞くと、空気入れや消防ポンプ車などを思いうかべる人が多いと思うけど、実はすごくいろいろな分野で使われているんだ。ポンプを製造している日東工器に聞いてみました。
- 安全を支える仕事
- 製造する仕事
- 暮らしを助ける仕事
実はポンプは製品の中など目に見えないところにも使われていて、いろいろな分野で活躍しているんだ。
ポンプとは、エネルギーを使って、液体や気体を吸い上げたり、圧縮して送り出したりする機械のこと。例えば、空気入れは器械と人の力で空気を集めて、自転車やボールなどに空気を入れたりします。また、石油などを入れたりするポンプは空気の力を利用して、液体を移します。
下の図で示しているようなものは、みんなポンプの仕組みを利用したものなのです。私たちの暮らしには、実はポンプの仕組みは欠かせないもので、さまざまなところで使われています。ポンプのことをいろいろ知ってみましょう。
ポンプが使われているもの
▲空気入れ
▲水槽のポンプ
▲石油ポンプ
▲消防ポンプ車
ピストンが動いて、吸ったり出したりするよ
日東工器のフリーピストンポンプは、筒の中をピストンという棒が左右に動くことで、空気を吸ったり出したりできます。動く部分がゴム膜でできている他の方式のポンプと比べると、急に壊れたりしないで長い間安心して使えるという特徴があるため、医療や食品の分野などで使われています。
フリーピストンポンプ
フリーピストンポンプの
動く仕組み
電気と磁石の力でピストンを左側に動かし、バネを縮めます。このとき、空気を吸い込みます。
電気と磁石の力をなくすと、縮めていたバネの力でピストンを右側に押し返します。このとき、圧縮した空気を出します。
身近な場所でポンプが使われているんだ！
日東工器のフリーピストンポンプは、その仕組みの特徴を生かして私たちの身の回りにあるものに使われています。例えばコーヒーメーカーなら空気の力でコーヒーを抽出するところで、ポンプが使われています。真空方式の炊飯器では、ポンプが釜の中の空気を吸って真空にします。真空にすることでお米のおいしさを引き出しています。このようにポンプは身近なところで活躍しています。
コーヒーメーカー
油を使わないから衛生的にできるよ
真空釜炊飯器
真空にするからお米の甘さが引き立つ
血圧計
静かに測れるよ
真空成形（バキュームフォーム）
ぴったりくっついて型どおりにできるよ
病院でもポンプは活躍しているんだ
体の中を検査する内視鏡では、撮影しやすいようにポンプの空気で胃や腸を膨らませます。また、ぜんそくなどの医療機器であるネブライザーでも、薬の液体を霧のように噴き出して、のどから吸い込ませるところでポンプが使われています。
医療機器にもポンプが使われているのね！
スポーツ選手も使っているよ
日東工器の家庭用エアマッサージ器「メドマー」は、ポンプを利用した空気の力でマッサージをします。この製品は、医療・介護の現場だけでなく、プロスポーツ選手などにも使われています。
▲バスケットボールクラブ「東京羽田ヴィッキーズ」の選手
さまざまな分野で活躍するポンプを開発しています
日東工器株式会社 開発本部 リニア開発統括部
リニア開発部第一課 柄澤 匠さん
ポンプは食品関係や医療機器だけでなく、さまざまな分野で使われています。空気や液体を吸い上げたり押し出したりするだけのシンプルな機能のポンプには多くの種類があり、それぞれ大きさや性能などが異なります。空気を吸ったり出したりする量やスピードのほか、作動音や耐用時間など大切なポイントがいくつもあります。使っていてうるさいと感じたり、短期間で壊れたりすることがないよう、いろいろなテストをしてポンプを開発しています。
製品ができるまでテストを繰り返します！
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