建物の鉄骨はどうやって組み立てているの?

おしごと年鑑 未来を生み出す科学技術のお仕事 2021年度
日東工器株式会社

高層ビルなどの大きな建造物では、建物の構造に鉄骨が使われることがほとんどです。この鉄骨はどのようにして組み立てているのでしょうか? 機械工具を製造している日東工器に聞いてみました。

  • 安全を支える仕事
  • 機械をつくる仕事
  • 研究開発の仕事

鉄骨に穴を開けてネジで固定して組み立てているよ。

大きな建築物などを建てるときには、鉄骨を組みあげて築き上げていきます。鉄骨同士を組み立てるには、それぞれの鉄骨に穴を開けて、その穴にボルトを入れてしっかり固定しています。大きな建造物を見ると、鉄骨部分がたくさんのボルトで固定されていることがわかります。建造物をきちんと正確に建てるためには、鉄骨の正しい位置に決められた寸法の穴を開け、ボルトでしっかり鉄骨を固定することが重要なのです。ボルトの穴は建物を支える大切な役割を持っています。

建設中の高層ビル
ケモノン

高層ビルなどは丈夫な鉄骨を使って造られているケモ。

鉄骨はボルトや溶接で結合しています

鉄骨

鉄骨と鉄骨をつなぐにはボルトや溶接で固定します

ボルト 大きな建造物は鉄骨がよく見えるよ ボルト

建築物の鉄骨

橋やタワーは鉄骨が目に見えてわかりやすいね。

ユイ

鉄骨に穴を開けるのはこんな機械

鉄骨に穴を開ける機械は、どのようになっているのでしょうか。写真は「アトラエース」という機械です。底面の電磁石で鉄骨に固定して、先端の高速回転している刃物部分を、ゆっくり押し当てることで穴を開けます。この先端の刃物は交換ができるので、大きさの違う穴を開けるときには、サイズの違う刃物を取り付けます。

アトラエース
ボルト 刃物の違いで時間も節約 ボルト

穴を開ける刃物にも工夫があります。穴をすべて削るのではなく、穴の周りだけ削ることで時間とエネルギーを節約できます。

刃物の違い

工事の現場で穴を開けるときもあるよ

鉄骨に穴を開ける作業は、工場であらかじめ開けてから運ぶこともありますが、建築の現場で穴を開けることもあります。現場では、鉄骨の隙間の狭い場所に設置したり、壁面に設置したりして、穴を開けます。こうした難しい環境でも、決めた位置に素早く穴を開けられる機械が求められています。

高さのない狭い
場所でも使える

狭い場所でも使える

電磁石で固定する
から縦でも使える

縦でも使える

「使っていて良かった」と思われるような製品づくり

答えてくれた人

日東工器グループ(株式会社メドテック) 製造部  製造技術課
松井尚之さん

日東工器は「人を想う」気持ちを大切にしたものづくりを行っています。その中で製造技術という工場での生産効率を高めるための仕事をしています。たとえば不良品を減らすために、品質に問題のあった工程などを調査・分析・改善します。生産現場で作業する人が安全で体に負担がかからずに、安定した品質で生産できるように、工具や装置の設計・製作を行っています。最終的には製品を使ってくれているお客様に「日東工器の製品を使っていて良かった」と思われるようなものづくりを心がけています。

使う人の気持ちを大切にしたものづくりを行っています。

答えてくれた人