空港で飛行機が安全に離着陸できるのはどうして?

おしごと年鑑 社会の土台を支えるお仕事 2020年度
成田国際空港

空港で飛行機の安全を守る仕事といえば、飛行機の整備士などが思い浮かぶでしょう。じつは、その他にも安全を守る大切な仕事があるのです。千葉県の成田国際空港に教えてもらいました。

滑走路の整備や点検を、毎日欠かさず行っているからだよ。

飛行機が離着陸するためには「滑走路」が必要です。滑走路に問題があると飛行機は安全に離着陸できません。そのため空港には、滑走路の安全を守るさまざまな仕事があります。滑走路の安全を守るため、成田空港ではどんなことが行われているのか見ていきましょう。

滑走路
ケモノン

A滑走路は日本最長の4000ⅿ!
日本では成田空港と関西空港の二つだけだよ。

学校のグラウンドが1周200mだとして、20周も走らないといけないぞ。

ヒナタ
安全を守る1

場面管理

場面管理

飛行機の走行にじゃまなものや危ないものを拾う。

安全を守る2

舗装路面点検

舗装路面点検

舗装路面のひび割れや、はがれなどがないか調べる。

安全を守る3

航空灯火点検

航空灯火点検

すべての灯火が決められた明るさを保つように点検する。

滑走路を守る仕事は、人の目につかないところで行われている!

空港ではわたしたちが普段目にしないようなところでも、実はたくさんの人が働いています。滑走路など空港の安全を守る人たちです。飛行機の離着陸が終わった深夜にも、安全を守る仕事が行われています。 

どうしてそんなに点検するの?

滑走路は最大約560tもの荷重を受け続けている。路面が破損して転がった小石でも、飛行機のエンジンが吸い込んでしまうと、大きな事故になる恐れがある。こうした事故を防ぐために毎日点検をしているんだ。

安全を守る1

飛行機の走行路を点検する「場面管理」

飛行機の走行路を点検する「場面管理」

「場面(じょうめん)」とは、滑走路・誘導路・駐機場(エプロン)など、飛行機が走行する場所のこと。飛行機が安全に走行できるように実際に車で走って、落下物や破損がないかを確認する。

安全を守る2

滑走路の舗装を点検する「舗装路面点検」

滑走路の舗装を点検する「舗装路面点検」

小さなアスファルトの破片が事故につながってはいけない。場面をたたいて音を確認したり、赤外線カメラを搭載した「赤外線路面点検車」で、滑走路の内部の異変を見つけたりする。異変があれば修復する。

安全を守る3

航空用ライトを点検する「航空灯火点検」

航空用ライトを点検する「航空灯火点検」

航空灯火はパイロットへの道標となる重要な施設。成田空港の滑走路などには全部で26種類、約1万5000灯もある。飛行機の飛ばない深夜に、これらの航空灯火の破損などをすべてチェックする。

安全を守ることはいちばん大切でとても使命感のある仕事だよね!

ユイ

この人は何をしている?

この人は何をしている?

A 鳥の群れを空砲で追い払っている!

鳥が飛行機に衝突することを「バードストライク」というよ。エンジンに衝突するとエンジンの故障につながることもある。バードストライクをふせぐため、鳥の群れを空砲で追い払っているんだ。

さまざまな職種のチームワークが空港の安全を守っています。

答えてくれた人

成田国際空港株式会社 管理部門 広報部
髙嶌 李名さん 福田 英哲さん

成田空港は、4万人以上の人たちが働いている巨大施設です。皆さんが安全に飛行機に乗って旅行などで海外や日本国内を行き来できるのは、空港で働いているさまざまな職種の人たちが、責任感を持って「安全を徹底して追求する」努力をしているからです。
今度成田空港を利用する機会があったら、ぜひ働いている人たちにも目を向けながら出発してみてはいかがですか?

成田空港に遊びにきてね!

答えてくれた人

手に持っているのは、成田空港公式マスコットキャラクターのクウタンです