子ども向けの新聞はどうやってつくるの?

おしごと年鑑 「知る」「学ぶ」「楽しむ」をかなえるお仕事 2023年度
株式会社朝日学生新聞社

小学生や中学生・高校生向けの新聞があるのを知っていますか。大人が読む新聞とどう違うのか、朝日小学生新聞(朝小)を毎日発行する朝日学生新聞社に聞きました。

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基本は大人向けと同じですが、漢字にふりがなをつけ、やさしい文章を書き、イラストや図などを使って、わかりやすくしているよ。

朝日小学生新聞ができるまで

子ども新聞の工夫の中には、みんなが壁新聞などをつくるときの参考になるものもあると思います。

編集会議

編集会議

その日に起きたできごとや、記者が注目したことがらなどを会議に持ち寄って話し合います。新型コロナウイルスの流行により、会議や取材はオンラインでも行うようになりました。

ポイント 1

読者が興味のあることを取り上げる

読者が興味のあること

読者の多くは小学生だから、動物や宇宙、スポーツなど、小学生が興味を持ちそうな話題を持ち寄るようにするよ!

ジュン

小学生に読んでもらうためには、何が必要なんだろう?

取 材

記者の七つ道具

記者は、取材したい人に予約を取ってインタビューをしたり、イベントなどが行われる場所に出かけたりして、取材します。取材した内容はメモを取り、ICレコーダーで録音することもあります。写真も撮影します。

ポイント 2

正確な情報をもらう

インタビュー

記事をまちがいなく書くために、話を正確にメモに取り、話を聞いた相手の名前や年齢、所属を聞きます。いくつかの資料を見て、話の内容を確認します。

記事を書く

編集部

パソコンを使って記事を書きます。ときには記事や写真を取材現場からメールで送ることもあります。

ポイント 3

わかりやすく具体的に書く

朝小では、小学生にわかりやすいことが一番重要!「です」「ます」体で、やさしい文章を書くように心がけています。長さや高さを表すときは、「大きい」「すごい」などのあいまいな表現ではなく、「1m」など具体的に書くことも大切です。

編集部

デスクが確認する

編集部

記者に取材の指示をしたり、記者が書いた記事を確かめて修正したりする役割の人を、新聞社では「デスク」と呼んでいます。

ポイント 4

全体のバランスを考える

デスクが、ほかの記事とのバランスや紙面全体の構成も考えます。記事の漢字にふりがなをつけるのも朝小ではデスクの仕事です。

レイアウト

編集部

パソコンを使って新聞のレイアウト(割りつけ)をします。整理記者が見出しをつけ、レイアウトを考えます。

ポイント 5

見出し、イラスト、図は重要

見出しは、書いた記事の内容がひと目でわかるように、短い言葉でまとめることが大切です。わかりやすくするために、イラストや図の配置も重要です。

校 閲

原稿の内容にまちがいがないかどうか、校閲記者が確認します。記事を書いた記者やデスクに確認することもあります。

完 成

レイアウトのデータを印刷所に送り、新聞を刷ります。刷り上がった新聞はトラックなどで全国に運ばれます。

朝日小学生新聞

朝小は読者リポーターも活躍中

朝日小学生新聞は創刊50年を超える日刊の新聞です。連載が1万5千回を超え、ギネス世界記録に認定された4コマまんが「ジャンケンポン」や、アニメや映画でもおなじみのマンガ「落第忍者乱太郎」などの人気連載を生み出してきました。
読者が「記者」として活動する「朝小リポーター」は、身近な話題をリポートしたり、アンケートに答えたりして朝小を一緒につくっています。朝小リポーターは大人の記者と一緒に取材に行くこともあり、総理大臣や宇宙飛行士、ノーベル賞受賞者などに直接インタビューすることもあります。

朝日小学生新聞

2015年にノーベル医学生理学賞の受賞が決まった大村智さんに、朝小リポーターがインタビューしました

朝小から生まれた人気キャラクター!

武者ムシャ戦国野菜

武者ムシャ戦国野菜
(イケダケイ/作)

ドンマイ!ずっこけハナコ先生

ドンマイ!ずっこけハナコ先生
(かとうとおる/作)

そらペン

そらペン
(陽橋エント/作)

はずんで!パパモッコ

はずんで!パパモッコ
(山本ルンルン/作)

取材を通して託されたバトンを未来を担う子どもたちにつなげたい

答えてくれた人

株式会社朝日学生新聞社 記者 佐藤美咲さん

段ボールを使ってものづくりをする人、障がいがありながらも、パティシエとして活躍する高校生など、記者になって感じたのは、世の中にはさまざまな職業や生き方があることでした。将来の選択肢や生き方のヒントを読者にあたえられたらと思いながら、日々、取材しています。
原子爆弾で被ばくした人、大災害や事故により故郷や大切な人をうばわれた人……。自分と同じめにあわせたくないと、つらい経験を打ち明けてくださる人たちもいます。過去の出来事を、いかに子どもたちに「自分ごと」として考えてもらえる記事にできるか。たくされたバトンを、未来を担う子どもたちにしっかりつなげていきたいと考えています。

答えてくれた人

記事に関することを調べたり、考えたことを家族や友だちと話したり、実際にその場所に足を運んだり。記事をきっかけに、何か行動に移す人が1人でもいたらいいなと思っています。