ペットと飼い主をケアするプロフェッショナル、動物看護師の仕事

2021.05.14 おしごと発見!

おしごと発見!

動物看護師

動物看護師とは、主に動物病院で獣医師のサポートをする仕事を担います。獣医師の診察や手術を補助するほかに、病院内で接客をしたり、飼い主さんの相談にのったり、入院中のペットをケアするのも動物看護師の役割。ペットと飼い主の両者をケアするさまざまな仕事を担い、数年後には国家資格化される予定の動物医療のプロフェッショナルです。[取材:イオンペット株式会社 動物看護師 佐藤淳平さん]

ペットの性格までつかむ観察力と技術


動物病院にペットを連れて行くと、受付対応から診察前の問診、診察・治療の補佐、そしてお薬の用意から会計まで、あらゆる場面で動物看護師が活躍しています。そのなかでも、15年間、動物看護師の仕事をしている佐藤さんは「保定が重要な仕事内容のひとつ」だと話します。保定とは、獣医師がペットを治療するときに、動かないようにおさえておくこと。血液検査の注射やレントゲンでは、特に気をつける必要があります。「強く、ちからでおさえるだけではいけません。動物によっておさえるポイントがあるんです。

来院するペットは大きさや種類もさまざま。飼い主さんの不安な気持ちを察しながら、やさしく接して、そのペットの性格をつかむことも大事ですね」。動物看護師の仕事には動物の知識はもちろん、高い技術や観察力が求められます。一般的に獣医師1名につき、看護師が2名。動物医療も人の治療と同じように、獣医師や他のスタッフとのチームワークが欠かせません。

飼い主もサポートするプロフェッショナル


動物看護師にとって、飼い主とのコミュニケーションも大切です。時には、飼い主からペットのしつけやご飯について相談を受けることも。佐藤さんは「常に飼い主さんの目線に立って、どういうことに困っているかを察して仕事をすることを心がけています」と話します。以前勤めていた病院では、飼い主から指名を受けるほど厚い信頼関係が生まれて、その病院を離れるときにもらった感謝の言葉がいまも深く心に残っているそうです。

その一方で、ペットの命をあずかるという重い責任を担うのも動物看護師です。「どうがんばっても、助けられない命と向き合わなければならないこともあります。つらい気持ちになることもあります。でも、亡くなったペットの飼い主さんをフォローするのも私たちの仕事。声をかけてすこしでもつらい気持ちを和らげられるよう努めます」。動物医療のプロとして、ペットの健康だけでなく、飼い主さんに寄りそってその気持ちまでサポートする。それが動物看護師の仕事といえるでしょう。

ペットを救いたいからこそ、動物看護師の道へ


「ウサギや爬虫類、魚に、昆虫。あとコウモリも。生き物はいろいろ飼っていました」。子どもの頃から生き物が大好きだった佐藤さんは、高校を卒業後、獣医師になることも考えました。しかし、当時飼っていたウサギを病院へ連れていったときに、動物看護師という職業を知ったことがターニングポイントになります。

「捨て猫や捨て犬が多かった地域に住んでいて、なんでみんな捨ててしまうのかなと。だから、動物を飼う心構えや扱い方について、飼い主さんと話してアドバイスをできれば、動物を大切にする気持ちが芽生えて、ペットたちも捨てられることなく、幸せに暮らせるはずだと思ったんです。それなら、動物看護師という仕事がベストだなと」。

さらに、もともとペットのしつけに関心があった佐藤さんは、動物看護師になった後、インストラクターの資格を取得。子犬や子猫とその飼い主にしつけをレクチャーする「パピークラス」を開催しています。「飼い主さんとペットがより幸せに一緒に暮らせるよう学んでもらう場です。しつけについては、獣医師から『飼い主さんの相談にのってあげて』と依頼されることもあるんです」。自分が興味のあることに取り組んで、佐藤さんのように、得意な専門分野をもつことができるのも動物看護師の魅力です。

動物看護師になるには?


学校で勉強して病院で働くのが一般的です。佐藤さんは高校卒業後、専門学校で学び、動物病院に就職してその後イオンペットへ。「僕の頃に比べて、動物看護を学べる学校はかなり増えています」と話すとおり、現在では専門学校のほかに、大学や短期大学など動物看護の勉強ができる学校は数多くあります。

数年後には「愛玩動物看護師」という国家資格ができる予定。今後さらに専門性の高い職種として活躍の場が広がり、たしかな技術と知識をもった人材が求められるようになるでしょう。実際に、動物病院でも、高いお給料を払ってでも実力のある動物看護師を求めるケースが増えています。


また近年は、男性の動物看護師の活躍も目立ってきました。佐藤さん自身、男女を問わず仕事ができて、働きやすい環境をつくる取り組みを進めてきました。「看護師は女性の仕事というイメージがあって、僕自身、これまで苦労したり、悩んだりしたこともたくさんありました。でも、この仕事が好きで、素晴らしいと思うからこそ、これまでのイメージを変える努力をしてきて、ここ数年で状況が変わってきました。だからこそ、動物が好きであれば、男女関係なく、めざす職種のひとつにぜひ入れてほしい。命をあつかう仕事でつらく大変なこともあるけれど、技術と知識をしっかり身につけて、的確なアドバイスをすることで飼い主さんにもペットにも喜んでもらえる。やりがいの大きい仕事です。これからもっともっと世の中から求められる仕事になると思います。ぜひチャレンジしてください」。

※2020年11月現在
※取材・撮影は感染対策を施した上で、マスクを外した状態で行っています。

おしごとQ&A

動物の看護師さんはどんな仕事をしているの?

動物病院で働いている看護師さんは、いつもどんな仕事をしているんでしょうか? 動物看護師の仕事について、普段は見られないところまで、イオンペットに教えてもらいました。

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