工事中の道路でロボットと歩いているあのひと、何してる?

2022.10.28 あのひと何してる?

マーキングロボットのオペレーター

道路をつくる(舗装)工事現場を見たことがあるかな? 地面を平らにならすモーターグレーダー、アスファルト合材を踏み固めるローラーなどの大型重機が行き交い、人が乗って運転している。そんな中、路面を自動で走るロボットもいるんだよ。そばで操作しているのがオペレーターだ。ロボットならではの役割やオペレーターの仕事を解説しよう。(写真提供/株式会社NIPPO)

ロボットを操作し、人や障害物に当たらないよう監視も


マーキングロボットは自動で走り、路面にスプレーでマーキングをすることが役割です。オペレーターがタブレットを操作すると、GPSで自分の位置を確認し、指定した通りに線や目印をスプレーで路面に描きます。舗装するエリアを分かりやすく示したり、大型の重機が走行する位置をガイドするラインを描いたりするときなどに役立っています。


オペレーターは、あらかじめ現場の位置をパソコンで設定し、ロボットの走行ルートやポイントのデータを作ります。その後、現場へ行って、ロボットがデータ通りに走るかを確認して準備が完了。工事が始まってからは、タブレットでロボットを操作しながら、一緒に歩きます。ロボットは障害物をよける機能がないので、走行ルートに障害物や人がいないかを確認するためです。同時に、ロボットが暴走しないか、指定していない方向へ向かってないかを確認するなど、安全には最大限の注意をしています。


今まで通りのやり方でマーキングを正確に行うためには多くの人が必要です。ロボットならオペレーター1人ですみ、作業時間も圧倒的に早く終わります。また、これまでは、移動するたびにしゃがんだり立ち上がったりする体への負担がありましたが、それを軽減できるメリットも。作業効率は7~20倍にはね上がります。

陸上トラックや野球場の下地にはアスファルト舗装が敷いてある。写真は、陸上トラックの下地のアスファルトを撤去するための準備で、ラインを引いている

道路の工事現場以外に、駐車場、車のサーキットやテストコース、空港などの舗装工事でもロボットは活躍しています。プログラムすれば、ロゴマークや簡単な絵を描くこともできます。

さまざまな大型重機も活躍する現場。これから新しく地図にのる道を舗装し、車が快適に走れる道路に仕上げる

オペレーターとロボット、さらに大型の重機と作業する人みんなで作り上げ完成した道路。開通式の様子をニュースで見たり、自分の車で家族を乗せて実際に走ったりすることも。

どうしたらマーキングロボットのオペレーターになれるの?


マーキングロボットを扱う舗装会社に就職します。操作方法は入社してから勉強し、現場で経験を積みます。これまで見たことのない重機のオペレーターにもなれます。自分たちで新しいロボットやシステムを開発するチャンスもあるよ。

協力/株式会社NIPPO

取材・文/内藤綾子