会社に入ったら、上司の言うことを聞かなきゃいけないの?

2021.11.30 おしごとBOOK

しごとについての質問

「会社に入ったら、上司の言うことを聞かなきゃいけないの?」(13歳・女子)

清水克衛(しみずかつよし)さん

書店「読書のすすめ」代表、逆のものさし講主宰、NPO法人読書普及協会顧問。1995年に東京都江戸川区篠崎町で書店「読書のすすめ」を開業。著書に、『非常識な読書のすすめ』(現代書林)、『逆のものさし思考』(エイチエス)など多数。

ルールの優先順位を考えてみましょう


『あなたが未来に選択肢を残すための「よりよい」生き方』

著者:美達大和

出版社:WAVE出版

価格:1650円(税込)

会社に入ったら上司の言うことは聞かなければなりません。組織に入るというのは、そういうことです。しかし、極端な話、組織の上司から「人を殺してきなさい」と言われたらどうでしょう? これは絶対に聞き入れられませんね。では、いったいどうしたらいいのでしょうか。


人が生きていくうえで守るルールには優先順位があります。『あなたが未来に選択肢を残すための「よりよい」生き方』の著者は、殺人を犯し、無期懲役囚として刑務所に収監されています。そんな人としてのルールを逸脱した人物が、この本の中で、「なんのために働くのか」について書いています。


答えは人それぞれでしょうが、社会のルールを破り、社会から隔離された著者だからこそ、私たちが普段当たり前すぎて考えもしないことを考えています。そこからルールの優先順位が見えてくるかもしれません。「なんで学ぶのか」「なんでコミュニケーションが大切なのか」「なんで生きるのか」「なんでお金が大切なのか」といったことにも触れ、あなたの未来を応援しています。

“戦争に参加する”というルールをどう考えますか?


『北御門二郎 魂の自由を求めて』

著者:ぶな葉一

出版社:銀の鈴社

価格:1320円(税込)

会社が決めたルール、社会が決めたルールについて、もう少し考えてみましょう。


『北御門二郎 魂の自由を求めて』で取り上げられる北御門二郎さんは、戦争中に兵役を拒否した人です。戦争に参加するということは、自分も死ぬかもしれないと同時に、人を殺さなきゃならないということです。当時の社会では、戦争に参加しないということは罪になり銃殺刑になるかもしれないルール違反でした。家族も世間から糾弾され生きていけなくなります。それがわかっていながら北御門さんは兵役を拒否したのです。

それはなぜでしょうか? 彼はロシアの文豪トルストイの著書を読み込んでいて、ルールの優先順位を知っていたからです。あなたも北御門二郎さんの生き方から、「なぜ上司の言うこと(仕事の上での命令、業務命令)を聞かなきゃいけないのか」という問いの答えを見つけてみてください。