歴史から学ぶ人は、仕事ができると断言していい

2019.07.01 おしごとBOOK

しごとについての質問

「日本の歴史やお城が大好きです。歴史に関する仕事って、どんなものがあるんだろう?」(12歳・男子)

<答えてくれる人>清水克衛(しみずかつよし)さん

書店「読書のすすめ」代表、逆のものさし講主宰、NPO法人読書普及協会顧問。1995年に東京都江戸川区篠崎町で書店「読書のすすめ」を開業。著書に、『非常識な読書のすすめ』(現代書林)、『逆ものさし思考』(エイチエス)など多数。

過去の人々の生き方は、どんな仕事にも教訓として生きますよ


『新史 太閤記』(上・下 文庫)

著者:司馬 遼太郎
出版社:新潮社

価格:上巻790円 下巻750円(税別)

歴史に関する仕事って、とてもたくさんありますよ。ストレートに歴史学者や考古学者という仕事もありますが、それだけじゃなく、すべての仕事は歴史から学んでいるのだと思います。
この歴史から学ぶことを「死者との対話」という言い方をする人もいます。昔の人も社会や暮らしをよくするために一生懸命生きてきたのです。失敗があったり悔しい涙も流したでしょう。それを感じながら歴史に接することで、私たちはよりよい人生を送るための糧としなければなりません。
『新史 太閤記』は、豊臣秀吉が主人公の小説ですが、食事も満足に食べられないような最下層の生活から、どんどん出世をして天下人にまでなるお話です。
いつの時代も同感覚として捉え考えることで、過去から多くのことをプレゼントされるのです。歴史って楽しいですね。

歴史小説家は、私たちの「もしかして」という想像をかき立ててくれる


『成吉思汗の秘密 新装版』

著者:高木彬光
出版社:光文社

価格:文庫800円(税別)

歴史に関する仕事として小説家という選択もありますね。
歴史には「正史」と「稗史(はいし)」というものがあります。「正史」とは、戦いにおいて勝利した側がつくった歴史で、私たちが普通学校で習うのはこの「正史」です。ひるがえって「稗史」は負けた側の歴史であって、なかなか表には現れません。しかし、この「稗史」が意外と面白いんですよ。
『成吉思汗の秘密』は、牛若丸で知られた源義経について書かれています。「正史」では、時の権力者、兄・源頼朝に追われ、東北の地であっけなく非業の死を遂げたとなっています。しかし、死んだと言われる東北の地を子細に調べてみると、義経は生き延びて北海道から大陸へと渡って生き延びていたのではないかという痕跡を明らかにしていきます。さらには、当時、世界の人口の半数を支配していたといわれるモンゴル帝国初代皇帝ジンギスカンは、この義経ではないかという壮大でワクワクする物語になっています。歴史を学ぶことは、今を生きる私たちに勇気と希望を与えてくれます。歴史って楽しいですね。