
上下に飛びながら、私たちの体にピタッ。気がつかないうちに血を吸われた後、かゆくてたまらなくなりませんか? 蚊に血を吸われるとどうしてかゆくなるのか、虫さされの薬などをつくっている金冠堂に聞いてみました。
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かゆみのもとは、蚊のだ液。だ液が皮膚に入るとアレルギー反応がおきて皮膚が赤くはれ、かゆくなるんだ。
血を吸うのは、卵を産む時期のメスの蚊だけ。その時期のメスの蚊は、人や動物の血を吸って、その栄養でおなかの中の卵を育てます。それ以外のメスの蚊やオスは、花のミツや草の汁などを吸っています。
かゆみのもとは蚊のだ液

蚊が血を吸うときには、口の先の針からだ液を皮膚の中に出して、血を吸います。このだ液には血を固まらなくする働きや、針の痛みをおさえる働きがあります。蚊のだ液は、人にとって異物なので、体内に入ると、取り除こうとしてアレルギー反応がおき、さされた部分が赤くはれ、かゆくなります。

血を吸われる前にバチッとしとめても、だ液を体の中に出されてしまっていたら、かゆくなります。
蚊の口の構造
蚊の口の先にある針は人の髪の毛の太さぐらい。じつは6つの針の集まりで、一番外側にある「さや」におさまっている

蚊にさされると…


かゆいときに薬(キンカン)を塗ると、かゆみの伝わりを抑えて、かゆみを感じにくくします。

キンカンのビンの謎!?
YouTubeの動画でもチェックできるよ。
すぐれたセンサーを使って、血を吸いにやってくる!

蚊は、人がはく息に含まれる二酸化炭素を「触肢」で感じとって、近づいてきます。そして体のにおいや体温、しめりけなどを「触角」でキャッチした後、目(複眼)で狙いを定めて、皮膚にとまります。
昼と夜の蚊は種類が違う!
世界に3000種類以上いる蚊の中で、日本にいるのはおよそ100種類。そのうち人の血を吸う蚊は10種類以上。また昼と夜でも活動している蚊は違います。

▲外の公園やヤブなどで、昼間活発に動くヤブカ(ヒトスジシマカ)

▲夜、耳元で「ブーン」と羽音をたててやってくるイエカ
蚊にさされやすい人はどうすればいい?
蚊は人が出す二酸化炭素や、汗や体のにおい、体温が上がっている人などに寄ってきます。代謝のいい若者や子どものほうが狙われやすいと言われています。
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汗をかいている人
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運動した直後の人
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体温が高い人
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お酒を飲んだ人
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黒い服を着ている人

蚊にさされないようにするには、汗をかいたらこまめにふいて、体のにおいに気を付けることが大切です。
虫よけスプレーは、蚊の触角の働きを防ぐことができます。 虫さされの予防に効果的です。

親子でずっと使われる薬。キンカンのひみつ
株式会社金冠堂 薬剤師 加藤拓馬さん
私たち金冠堂がつくっている虫さされの薬「キンカン」は、90年以上の歴史があり、親子で代々使っていただいているという家庭も多くあります。キンカンはかゆみを抑えるだけでなく、捻挫、肩こりなどの筋肉の痛みにも効果があります。また、容器にガラスビンを使っているのもこだわりのひとつ。ガラスビンはプラスチックの容器よりも薬の成分が安定するためです。これからも伝統を守り、愛され続ける薬でありたいと思っています。
虫さされにはキンカンを!
