糖尿病って、どんな病気?

おしごと年鑑 未来を生み出す科学技術のお仕事 2020年度
田辺三菱製薬株式会社

「糖尿病」って病気、知ってる? 怖いけど、誰もがかかるかもしれない病気なんだ。この病気を治す薬について、田辺三菱製薬に教えてもらったよ。

体に取り入れたブドウ糖がうまくエネルギーにできず、血液中に増えてしまう病気だよ。

「ブドウ糖」は体の中でエネルギーになる!

糖尿病は、体の中で「インスリン」という物質の働きが悪くなったり、作られなくなったりして、体に取り入れたブドウ糖をエネルギーにできなくなってしまう病気です。エネルギーにできなかったブドウ糖は体にたまり血管を傷つけて、怖い病気のもとになることがあります。

ボクはインスリン!体の中でブドウ糖をエネルギーに変えるスイッチを押す係だよ!

インスリン

インスリンは、「すい臓」というところで作られるよ。

すい臓

ご飯を食べると…

ご飯を食べると…
矢印

ブドウ糖が体内に取り込まれます

ブドウ糖が体内に取り込まれます
矢印

ここでインスリンが出動!

ここでインスリンが出動!
矢印

体のあちこちでブドウ糖をエネルギーにするスイッチを押すよ

体のあちこちでブドウ糖をエネルギーに

でも…

インスリンが出なかったり、
うまく作用しなかったりすると…

インスリンが出なかったり
矢印

増えすぎたブドウ糖が血管を傷つけ、
恐ろしい病気の原因に…

増えすぎたブドウ糖が血管を傷つけ

脳の血管が詰まる脳卒中や、心臓の血管が詰まる心筋梗塞など、怖ーい病気の原因になってしまうんだ!

たなみん

田辺三菱製薬 キャラクター
「たなみん」

糖尿病の薬ができるまで

これまでの糖尿病の治療は、インスリンを補充したり、効きやすくするための薬を使うことが主流でした。でも、糖尿病が進行してくると、インスリンをつくる能力が低くなっていったり、インスリンが効きにくくなったりします。また、インスリンの作用を補う薬には、血糖値が低くなりすぎる、体重が増えるなどの副作用の心配もありました。

1課題の設定

どうしたら、インスリンと関係なく
糖を減らせるだろう?

課題の設定

問題は、血管の中の糖が増えすぎ
るということだね。

2問題点の整理

糖は腎臓で一度こしとられて、おしっこに
なる前に再吸収されるよ。

問題点の整理

糖尿病の場合は、糖が多すぎて、回収しき
れず尿に出てしまうんだね。

3発想の転換

血液中の糖が多すぎるんだったら、再吸収させ
ず、おしっこと一緒に体の外に出しちゃったら?

発想の転換

それだ!

4薬の完成

こうして生み出されたのが、田辺三菱製薬の糖尿病治療薬「カナグリフロジン」です。血液中のブドウ糖を大幅に減らすことで、脳や心臓、血管の病気のリスクを14%も減らすことに成功しました。

※N Engl J Med2017; 377:644-657

薬の完成

研究を始めてから、国の承認を得て発売されるまで、約25年もかかったんだって。

ユイ

糖尿病にもいくつか種類があるよ

糖尿病は、紀元前からの記録にも残っている、長く人類を苦しめてきた病気です。糖尿病には、インスリンがすい臓でほとんどつくられなくなる1型と、分泌されるインスリンの量が少なくなったり、作用しにくくなったりする2型があります。1型は子供や若者に多く、インスリンを注射で補充することで治療します。2型はカロリーの高い食事を摂り続けたり、運動不足だったりするとかかりやすくなります。中高年に多くみられますが、子供でもかかることがあります。2型の場合は、食事や運動を取り入れた生活習慣の見直しが主な治療になりますが、症状が進むと、1型と同じように、薬を使って治療します。

糖尿病の90%以上は2型だよ。

円グラフ

創薬を通じて、世界の人々に貢献する仕事です

答えてくれた人

田辺三菱製薬株式会社 グローバルRA部 栗山千亜紀さん

私たちが開発した「カナグリフロジン」はおしっこで排出される糖の量を増やして、体の中から余分な糖を追い出してしまうという、斬新な発想から生まれた糖尿病の薬です。見かけ上は病気を悪化させていますが、これによって糖尿病を原因とする重い病気を抑えることができるようになりました。このように、薬を創るということは、ただ科学的な知識だけでなく、これまで誰も考えつかなかったことを考える、大胆な発想力も必要です。薬の開発は、作った化合物が人間に使える薬になる確率は数万分の一と言われていて、とても難しい仕事です。研究者をはじめ、たくさんの専門家が関わって、それぞれ「得意」な分野を生かしながら「世界中の病気で苦しむ患者さんの助けとなる薬をつくりたい!」という気持ちを一つにして頑張っています。皆さんも、ここだけは負けない!と思う「得意」を磨いて、私たちと一緒に次の薬をつくりませんか?

薬は医療の根幹を支える、とても大切な存在です。

答えてくれた人