
生地の中にクリームがたっぷりつまっているシュークリーム。クリームはわかるけど、シューにはどんな意味があるのでしょうか。シュークリーム専門店の「ビアードパパの作りたて工房」を運営する麦の穂に聞きました。
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シューはフランス語で、キャベツという意味があるよ。

フランス生まれのシュークリームは、焼き上がった生地の形がキャベツに似ていることから「シュー」(キャベツ)と呼ばれるようになりました。
実はシュークリームという呼び方は日本独自のもの。フランス語のシュー(chou)と、英語のクリーム(cream)を合わせてできた言葉だと考えられています。
本場のフランス語では「シュー・ア・ラ・クレーム」、英語では「クリーム・パフ」と呼ばれています。
シュークリームの空洞はどう作られているの?

卵、牛乳、小麦粉、バターなどを混ぜ合わせて、シュークリームの生地を作ります。


生地を絞り袋に入れて、丸く絞り出します。このペースト状の生地をオーブンで焼くと……?


加熱されることで、生地に含まれている水分が水蒸気になって、外に出ようとします。


小麦粉に含まれるグルテンという粘り気のある物質が、水蒸気が外に出るのを防ぎ、生地がふくらみ空洞ができます。
この空洞にクリームをつめれば、シュークリームの完成ね!


▲焼く前の生地はペースト状

▲焼くことでこんなにふくらむ!
バニラ・ビーンズにはどんな効果があるの?
カスタードクリームの中に入っている黒い粒を見たことがありますか? その黒い粒が、バニラ・ビーンズです。
バニラ・ビーンズは、ラン科のバニラという植物の種子を加工したものです。甘い香りが特徴で、お菓子などの香りづけに使われています。たとえばアイスクリームのバニラ味は、このバニラの香りをつけたものです。
食べ物の香りは人がおいしさを感じるためにとても重要で、バニラ・ビーンズが入っているかどうかで、おいしさが全然違うんです。カスタードクリームにバニラ・ビーンズを入れることで、より上品で、マイルドな甘さになるんですよ。

▲アイスクリームやプリンなど洋菓子には欠かせない香り!

▲クリームの中に入っているよ!
バニラ・ビーンズは黒いダイヤ?
バニラは栽培が難しく、花の寿命も短いので、その種を加工して作るバニラ・ビーンズは高級品です。特にマダガスカル産の最高級天然ものは「黒いダイヤ」と呼ばれるほどです。

▲バニラの花が咲くのは1年に1日だけ!
シュークリームの仲間はこんなにたくさん!

細長く焼いたシューにクリームをつめて、上からチョコレートをかけたもの。

ドーナツ形のシューにクリームをはさんだもの。日本ではリングシューとも呼ばれているよ。

シューを飴などでくっつけて、台の上に円錐状に高く積み上げたお菓子だよ。

小さめのシュークリームをかるく積み上げて、チョコレートソースなどをかけたもの。

大小二つのシュークリームを重ねたもの。つなぎ目のクリームは、修道服のえりを表しているよ。

小さめのシュー生地に、砂糖をまぶして焼いたもの。クリームをつめる場合もあるよ。
幸せな時間をお届けする楽しい仕事です
株式会社麦の穂 商品企画部 部長 田中俊輔さん
シュークリームを買う時って、どんな時でしょう? 私たちが一番大切にしていることは、シュークリームを食べてくれる人たちの時間を想像することです。家族と仲良く食べたり、大切な人にプレゼントしたり……。その時間を想像することで、お菓子作りにも接客にも心がこもります。ビアードパパは、お客様にそんな幸せな時間を届けられる仕事です。 ビアードパパでは毎月新しいシュークリームを商品化しています。商品開発で大切なのも、やっぱり想像力です。
シュークリームのおいしさや、お店で手作りをする実演販売が好評で、ビアードパパは世界中で愛されるお店になりました。これからも最高のシュークリームを世界中の人たちに届けたいと思っています。
お菓子作りや人の笑顔が
好きな人が向いています!
