
電池で動くもの、いろいろあるよね。電池を入れると電気がおきて、電気の力でものが動くんだ。でも、どうして電池は電気をうむんだろう? 電池の会社・FDKに聞いてみたよ。
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電池の中にあるマイナス極の材料がとけて、電子が動き出すことで電気がうまれるよ。
電気ってなんだろう?
この地球上のすべてのものは、「原子」という小さなつぶからできています。原子はさらに「原子核」と「電子」でできていて、プラスの電気をもつ原子核のまわりを、マイナスの電気をもつ電子がまわっています。電気のもとはこの電子です。
原子のしくみ


電子が電気のもとか!
電気の正体

電子はマイナス極からプラス極へ流れますが、電流はプラス極からマイナス極へ流れます。
とくに金属の中には、原子と原子の間を自由に動ける電子があります。マイナスの電気をもつ電子が、いっせいにプラスの電気をもつ物質のほうへ流れること、これが電気の正体です。
電池が電気をうむしくみ!
電池はプラス極の材料、マイナス極の材料、電解液(電気を通す液体)の三つでつくります。電池の基本のしくみを見てみましょう。
電池のしくみ

亜鉛の原子は、電子を亜鉛板に残して希硫酸にとけだす
(亜鉛イオン)
電子が銅板のほうへ移動して、電気がうまれる
水素イオンが、銅板から電子を受け取って気体(水素)になって出ていく
電子が減ったり増えたりした原子を「イオン」というのよ。

かいせつ
銅板(プラス極の材料)と亜鉛板(マイナス極の材料)を希硫酸(電解液)に入れて、電球(導線)とつなぐ。
亜鉛板で電子がうまれる。
亜鉛板にたまった電子が、銅板のほうへ流れていく(電気がうまれて電球が光る)。
希硫酸の中の水素イオンが、銅板から電子を受け取って、気体(水素)になって出ていく。

乾電池も電気をうむしくみは同じです。マンガン乾電池は、プラス極に二酸化マンガン、マイナス極に亜鉛を使っています。
マンガン乾電池のしくみ

「単1」「単2」って呼ぶのはなぜ?
乾電池は大きさによって「単1形」「単2形」「単3形」などと呼びますが、これは日本だけの呼び方です。最初につくられた電池が単1形で、それから単2形、単3形、単4形と呼んでいます。

単1形

単2形

単3形

単4形
どうして「乾電池」というの?
1888(明治21)年、ドイツのガスナーは、電解液を石膏で固めた電池を発明しました。それまでの液体を使った電池ではなく、液体のもれない「乾いた電池」ということで、「乾電池」と呼ばれるようになりました。
じつは日本人の発明の
ほうが先!?
ドイツのガスナーが乾電池を発明した前の年、1887(明治20)年に日本の屋井先蔵は「屋井乾電池」を発明していました。でも、特許を取ったのが遅く、乾電池の発明者として名を残すことができませんでした。

マンガン乾電池と
アルカリ乾電池
マンガン乾電池とアルカリ乾電池は、電解液の種類やマイナス極の材料の形などが違います。マンガン乾電池よりアルカリ乾電池のほうが長持ちで、今、お店で売っている乾電池のほとんどがアルカリ乾電池です。

乾電池は正しく使えば長持ちします!
FDK株式会社 コンシューマ事業統括部
国内営業部 牧野朝香さん
FDKのアルカリ乾電池は、安定した品質のものをみんなに使ってもらうため、日本での生産(メイド・イン・ジャパン)にこだわっています。乾電池は新しいものと古いものを混ぜると、全体のパワーが弱くなるので、まとめて取り換えること。また、発熱や破裂につながるおそれがあるので、違うメーカー(種類)のものを一緒に使わないこと。こうしたことに気をつけて、正しく使えば長持ちします。
電池は正しく使ってね!
