白バイ隊員 のしごと

2022.12.12 紹介します○○のしごと

神奈川県警察本部交通部 交通事故防止対策隊(通称 ホワイトエンジェルス)の白バイ隊員、畑田奈美さんの画像
仕事の「相棒」である白バイに乗る畑田奈美さん=神奈川県横浜市
神奈川県警察本部交通部 交通事故防止対策隊(通称 ホワイトエンジェルス)の白バイ隊員、畑田奈美さんの画像

畑田奈美さん

神奈川県警察本部交通部 交通事故防止対策隊 (通称 ホワイトエンジェルス)

市民に交通安全よびかける

神奈川県警察の交通事故防止対策隊は、白い大型バイク(白バイ)に乗った女性隊員が所属しています。その人数は、約1500人いる女性警察官のうちのわずか4人。運転技術などの特別な訓練と試験を受け、適性があると判断された人だけが白バイ隊員になれます。

畑田さんたちの主な仕事は、交通安全のよびかけや、交通安全指導です。交通安全教室やイベントなどでは、白バイの体験乗車や隊員との記念撮影を通じて交流を図ります。「道を渡る際は、車とぶつかる事故を防ぐために必ず横断歩道を利用してほしいなど、相手に合わせた交通安全のアドバイスをしています」と畑田さんはいいます。

また法律や条例などのきまりを守らない人の取りしまりも行います。AI(人工知能)を使って交通事故がよく起きる場所を見つけ、取りしまりやパトロールに出動します。そのほか、講習会ではオートバイなど二輪車のドライバーに、安全運転の方法を教えています。

駅伝やマラソンで、ランナーが安全に走るための先導もします。畑田さんは、今年の箱根駅伝で往路、復路ともに選手と関係車両の間を走行する中間先導を担当。10月の横浜マラソンでも先導しました。

神奈川県警察本部交通部 交通事故防止対策隊(通称 ホワイトエンジェルス)の白バイ隊員、畑田奈美さんのしごとの漫画

あゆみ

神奈川県出身なので箱根駅伝が身近で、小さいころから先導する白バイにあこがれがありました。中学、高校では運動部に所属し、上下関係など人とのかかわり方を学びました。

大学生のとき所属していたラクロス部で、ライバル大学との重要な試合で活躍しMVP(最優秀選手)となりました。これが自分に自信をもつきっかけとなり、あきらめていた「白バイ隊員になる」という目標に挑戦しようと決意しました。

神奈川県の警察官採用試験には、2回目で合格。白バイ隊員になる試験にも受かり、今の仕事に就きました。

1994年
神奈川県生まれ
2013年
猛勉強し、第一志望の大学に進学
2017年
神奈川県の警察官採用試験に2回目で合格し、警察官になる
2018年
白バイ隊員になるための訓練に参加
2020年
交通事故防止対策隊に配属。白バイ隊員となる
やりがいや苦労

あこがれの存在でありたい

仕事はとにかく安全第一。見本となる運転をすることで、自分の安全を守り、周りのドライバーの安全意識を高めます。「常にあこがれの存在でいられるよう、運転だけでなく、何げない所作にも気を配ります」

法律などのきまりも、新しくなるたびに覚えます。違反をした人には、きまりをわかりやすい言葉で説明する必要があるからです。技術や知識の向上に努めるのは大変ですが、「あこがれていた仕事なのでやりがいが勝つ。みなさんの安全を守りたい、事故を減らしたいという気持ちで頑張っています」。

クローズアップ
神奈川県警察本部交通部 交通事故防止対策隊(通称 ホワイトエンジェルス)の白バイ隊員、畑田奈美さんが仕事で使う警察手帳、手錠、警棒の画像
警察手帳、手錠、警棒。警察手帳は警察官としての身分を証明するために必要なものです。手錠と警棒は万一に備えて常に身につけます

2022.8.29付 朝日小学生新聞
構成・小川しおり
撮影・近藤理恵
イラスト・たなかさゆり

毎週月曜連載中の「紹介します 〇〇のしごと」から記事を転載しています。
朝日小学生新聞のホームページはこちら